- 2011年1月18日 01:05
- notes
前作の『神様のパズル』を読んでから、5年以上も過ぎた。そのときはまだ高校生だったし、文系だったこともあるが、加速器がどうのこうのというよりも物理学そのものについて、よく知らなかったから、面白かったけど内部まで読み込めなかったという記憶がある。(今度読み直そう)
続編の『パズルの軌跡』は、『神様のパズル』の続編である。まず全部を読んで思った感想は、結局感情論で終わったような気がするということだ。文学部なんかに僕が入らなかったら、こんな感想を持つこともなかっただろう。いや、大学生をやってきたからかもしれない。学問には感情=倫理なんかも含めて、論証に持ち込んではならないのだ。「倫理的に考えて、○○の行動は間違っている」なんていうことは、頭の悪い政治家にでもやらせておけばいいのさ。大学じゃそんなことはしてはいけない。
ヒロインの天才少女沙羅華はそんな、感情に無関心な人物である。前作までは、そんな感じの沙羅華と主人公の綿貫とのやりとりを読んでいく感じであったが、今回の『パズルの軌跡』は、どちらかといえば綿貫の感情論を読者に押し付けているような話である。読む人にとっては窮屈に感じることもあるかもしれない。今回の主題のひとつに『人間とはなんだ?』という、そりゃもう哲学とか倫理の世界の話を、科学的に解決しようとするが、そこに倫理がぶつかるというような話。所謂、科学の限界のようなものを描いている。これ以上書くとネタばれになりそうなので書かないが、今回はSFをテーマにしているのに、感情論を読まされているような感じになってしまっているのは、主題が主題だからだろうか。
しかし、続編としてよめば、かなり面白い。前作では沙羅華がいきなり普通の女子高生になってしまう結末が、どうもいただけないと感じていたところもある。主人公含め沙羅華は全く変わっていなかったのだ。『神様のパズル』『パズルの軌跡』を読み通して、初めて沙羅華の変化に気づく作品だと思う。そして、前作のことは殆ど覚えていないが、ヒロインの性格上、前作同様に「シテヤラレタ」と思うところがでてくるので、前作を読んだ人は是非続編の本作を読んでもらいたいものと思う。
※画像はアマゾンから借りましたが、アフィはやってません。
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